《全員完走》
男子10キロ、女子7キロ。この距離は決して短くない。運動が苦手な生徒にとってはかなりきついはずである。
授業として行うマラソン大会は全力で走る生徒がいる一方でふざけたり、ズルをしたりする生徒がいる。こういう風景に私は慣れてきた。でも日野高生は違った。男子の制限タイムは70分。女子は60分である。1,2年生各6クラス。合計12クラスの生徒が走って、全員がこれをクリアーした。これは誇って良い。誇れることだ。
開会式で私が挨拶した要点は3つある。一つは完走すること。もう一つはマナーを守ること。そして最後に、マラソン大会はボランティアの支援が無ければ成り立たないイベントである。そのボランティアの方々への感謝の気持ちをもつこと。そうすれば、完走した後の充実感をきっと味わうことができる。これを全員が守ってくれた。それが今回の結果につながったのだと思う。
終了後、中庭でお母さん方の作ってくれた豚汁をみな、おいしそうに食べていた。どの顔も達成感や満足感で輝いていたと思う。閉会式の講評で私が言ったことを覚えているだろうか。一番になった生徒。 一人で走ったらこの記録は出なかった。最後にゴールした生徒。一人で走ったら途中でやめていたかもしれない。仲間がいて、仲間と競い合うから頑張れるんだ。そのように言ったのだが。
私も12年ぶりに生徒と走ってみた。生徒の走りを観察する気持ちで走ったのだが3キロを過ぎた当たりから闘志が出てきた。5キロ以降は全力で走った。来年は生徒の若さに最初から真剣勝負で挑んでみたいと思う。(2月13日、校内マラソン大会)
《全員熱唱》
2月19日(木)に日野市民会館で合唱祭が行われた。つい、1週間前の金曜日に、あれほど全力疾走した生徒達がこの日は合唱に挑戦である。1年生の課題曲は「校歌」、2年生の課題曲は「ローレライ」。自由曲はクラス別にそれぞれ選ぶ。どのクラスも1週間前にハードなマラソン大会を戦い抜いたとは思えないほど声が良く出ていて、ハーモニーもしっかりしていた。短時間でよくここまで仕上げたものだと思う。
歌う前に「紹介文」が読まれる。各クラスの取り組み状況が担当者の苦労を通して痛いほどよく伝わってくる。練習し始めた当初のさめた雰囲気。練習を積むにつれてクラスが次第にまとまり、一体感を持ち始め、やがて熱く燃えていく様子が目に浮かぶ。「紹介文」に込められた思いが強く出ていたクラスほど合唱の仕上がりも良かったように感じられた。完成度と紹介文との間にある微妙な相関関係がにじみ出ていたように思う。
私は生まれて初めて「審査員」なるものをやってみた。音楽の知識は全くないので一生懸命に頑張った生徒には無資格で審査して申し訳ない。最初のクラスには10段階の真ん中ぐらいの成績をつけてみた。その方がすべてのクラスに対応できると考えたからだ。結果から見ると、基準が低すぎたと思う。それほど、全体の出来映えが良く、どのクラスもまとまっていた。
マラソン大会と合唱祭。この時季、性質の異なる二つの行事が有機的に結びつき、一体となって、日野高校に躍動感を与えている。
都立日野高校
校長通信
平成21年2月24日
第4号
