校長通信「Solar Green」   トップページ

《春を越える》
 ― 梅(うめ)一輪(いちりん)いちりんほどの暖かさ ―  
17世紀に活躍した服部嵐雪のこの句は私たちによく知られている。松尾芭蕉に師事したといわれているが、二人の仲は必ずしも順調ではなかったようだ。そのためか、「嵐雪」という名は句ほどには知られていない。
 この句の意味は明快である。厳しい冬の後には必ず春が来る。冬が厳しいほど春の訪れが待ち遠しい。そして春は必ずやってくる。梅の花が一輪咲くごとに着実に順調にやってくる様子を、嵐雪は動画のようにあらわしている。
 昨今の冬はどうだろうか。私は北海道の山間で育ったが、中学生くらいまでは朝、目を覚ますと玄関の引き戸が開かないほど雪が積もっていた。窓にはいつも雪がある。それは卒業式まで続いた。「蛍雪の時代」は生活そのものだった。今は、記憶の中でしか再現できない風景である。
暖冬といわれる昨今は気温の変化が一段と不規則になっている。春をあらわす言葉も梅から桜になった。3月20日に東京で桜の開花が発表されてから満開になるまで、ずいぶんと時間がかかっている。開花予想も早まったり遅れたりとなる。厳しい冬がなくなった一方で、春の予感が、まるで不透明になってしまった。
 春は来るのか。厳しい冬を越えれば本当に春になるのか。それは誰にでもやってくる季節なのか。今日は始業式である。ここに集う生徒達は、それぞれの春を越えて来たに違いない。私の願いはこれからも幾多の春を越えてほしいということである。春は待っているだけではやってこないかもしれない。私たちがこれから生きていく社会では、春は自ら創らなければ実感できない季節になっている。それを超えなければ夏がこないのはいうまでもない。そして、冬だけがいつも不意に来る。

《春休みのいろいろ》
○天体観測
 3月29日、本校地学部による市民講座、天体観測が開かれました。小学生からお年寄りまで、大勢の方々が寒い風が吹く中で、土星やスバルなどを熱心に観測していました。地学室では、地学部生徒が参加者に手際よく説明していました。部員全員が、役割分担に応じてきびきびと行動していました。ご参加いただいた方々、ありがとうございました。今度は夏に開催します。

○定期演奏会
 3月29日、本校吹奏楽部が多摩社会教育会館(立川)で定期演奏会を開きました。ここにも大勢見えていました。野球部はきっと全員が来てくれたと思います。
夏にはまたお世話になります。よろしくお願いします。参加してくださった皆様ありがとうございました。

都立日野高校
校長通信
平成21年4月 6日
第7号