校長通信「Solar Green」   トップページ

《夏が終わる》
 今年の夏ほど感動したときはない。われわれ教職員や生徒、保護者をはじめ、卒業生そして地域の方々にとっても同じような感動を共有していただけたのではないだろうか。私がずっと思ってきた、「やればできる」を日野高生が証明しようとしている。昨年12月の着任以来、私はこの学校に不思議な魅力を感じている。自分の教員生活の総決算として頂いた場、それがここである。証明しようとしているというのは最終結果が出ていないからだ。実験はまだ続く。
 人間の力に偶然というものはない。「火事場の・・・」というスラングを聞いたことがある。火事場(緊急事態)になると人は思わぬ(本当の)力を出すというほどの意味であろう。一方、持っている力をいつも出し切ることは至難である。それほどわれわれにはムラがある。そのムラは弱点であると同時に強みにもある。
スポーツでそれがよく現れるのが野球ではないだろうか。野球の魅力は優れた技術やパワーだけにあるのではない。2時間に及ぶピンチとチャンスの交換に人生をダブらせる。成功と失敗、運と不運がイニングを刻む。野球はまたエラーを前提としたスポーツである。エラーへのカバーのあり方が勝敗を決めることもある。もしも、9回裏のスクイズバントの成否で勝負が決まったとしたらどうだろう。次の試合がそうなるかも知れない。
 この夏はその他もみなよく活躍した。数年間休止していた水泳部だが1年生が個人種目でインターハイに出場した。私は大阪まで応援に行ったが予選を通過するにはまだ壁がある。来年、再来年が楽しみである。
 吹奏楽部は今年もB組金賞を受賞した。昨年に続いて2年連続である。女子バスケット部や女子バレー部は秋にむけてすでに走り始めた。女子バスケットは8月27日に行われたブロック決勝では準優勝に輝いた。来年、再び関東大会を狙えるだろう。
 小さな活動も大きな感謝を頂いている。先日、浅川水再生センターの所長さんはじめ関係者が学校にみえた。1年生のグループと「発見工房たまご」部員合同による奉仕活動が近隣の小学生などに好評だったという。本校生徒の対応や落葉を利用した作品作りなどが高い評価を受けたと心からの謝辞をいただいた。
 このように日野高で体験するはじめての夏は充実感にあふれていた。ここで取り上げたものはその一部にすぎない。違いはあるだろうが一人一人が充実した夏を体験したに違いない。ともあれ夏は終わった。今週末の文化祭が総決算となるだろう。
 夏の終わり。それは新たな学びの始まりである。雨が多かったせいか残暑が心地よい。それも文化祭を境にぐっと秋めいてくるはずである。気温の低下にあわせて気持ちを落ち着け、学びの方向を静かに見つめよう。来年の夏に大きな炎を燃やすための仕込みの季節が始まっているのである。

都立日野高校
校長通信
平成21年9月7日
第14号