都立日野高校
校長通信
平成21年12月7日
第19号

《苦手意識を取り除く
 今日から二学期の期末考査が始まった。私は数学や理科に苦手意識があったので、大学を卒業してからも数学の単位を落とす夢を見ては悩まされることがしばしばあった。このような悪夢は(自分の場合は)いくつになってもみるもので、何かに追い込まれるとそうなるようだ。数年前には単位不足で大学を卒業できないことがわかり、長年続けて来た教員をやめなければならなくなって、家族に説明がつかなくなるという悪夢に悩まされた時期があった。この夢はシリーズで続き、そのたびにうなされて目を覚ます。目を覚まして自分が勤務している学校を確認する。それでやっと落ち着くのである。自分が何に怯えているのかはわからないが、子供時代から大学を卒業するまでに培われた苦手意識が深く心に沈殿し、追い込まれたときにそれが湧き出てくるのかも知れない。
 苦手意識は誰しもあると思うが、なんでもよく出来る人もいる。小学校時代に算数、国語、体育が得意な人はどこにも居場所がある。その上、芸術系(絵・音楽・書道)のどれか一つでも加わるなら鬼に金棒だ。二つ以上あるとほぼ死角はない。しかし、多くの人が苦手意識に苦しめられている。それが最も強くなるのが試験であろう。それも二学期の期末考査は特に苦しい。
 どうすれば苦手意識から解放されるのか。苦手な科目が得意になれば問題はなくなるが、そう簡単にはいかない。そこで、二つのことをチェックしてみよう。一つは苦手意識を過大に評価して、逃避行動(携帯・テレビ・マンガなどに走る行動)やあきらめ(ボーッとして過ごす)に時間とエネルギーを無駄遣いしていないか。二つめは苦手意識を理由にして、実際にはやればできることや最低限やらなければいけないことから目をそらしてないか、である。
 考査で求められている基準に理不尽なものはない。苦手意識を理由に期待される最低限の基準をクリアーしないのは無責任なのである。クリアーしない理由を探せば見つかるだろう。一つで足りなければ二つ、二つでも不足なら三つときりがない。そのようなことに時間とエネルギーを費やすことが問題なのである。目標をしっかりと見据える。与えられた基準を集中して確認する。それをクリアーするための段取りを組む。準備が不十分なのは今悔やんでも仕方がない。準備不足であればあるほど気持ちを今に集中する。後悔は結果が出てからするのがよい。具体的に反省し、改善点を見出して次回に生かすなら最高である。
 私達が陥る負の連鎖は苦手意識に捕らわれ、後悔の念に埋もれ、目標を直視せずに目をつむって暴走するところにある。失敗しても反省することなく、心の痛みが和らぐのを時に委ねる。時は心を癒すが、後悔だけでは何も生まない。しかし、確かな反省は何かを生むはずである。
 大人になって、悪夢に悩まされる生徒が一人でも少なくなることを強く念じている。

 

 

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